まさかの出会い
あれは2011年2月のことでした。
日用品を買いに行ったホームセンター。
ペットコーナーがふと目に留まり、癒されたい思いで立ち寄りました。
ワンちゃんやネコちゃん、小さくてかわいくて自然と笑顔になりますよね!
そのホームセンターには小動物コーナーもありました。
温度調整のために仕切られた部屋。
静かにドアを開けると、ある動物に目が釘付けになりました。
ミニウサギの男の子でした!
思わず携帯を手に取り、父へ電話。
「お父さん!うさぎ飼っていいと思う!?」
電話越しの父は、呆れたような声で言いました
「仕事も忙しいみたいだし、一人暮らしで世話するのは難しいんじゃない?」
「かわいいのは分かるけど、よく考えなさい」
と。確かにな…と電話を切ったあと悩み始めます。
ですが数分後、心臓の音が聞こえるかと思うくらい緊張しながら、店員さんへ声をかけていた私でした。
ワクワクドキドキの日々
家族になったミニウサギは、体の色がカフェオレのようなベージュでした。
コーヒーが好きだったこともあり、コーヒーにまつわる名前にしたいな!と悩みに悩み、
「モカ」と名付けました!

小さくて、コロンとしていて…♡
このかわいい瞳にやられました…!
うさぎの飼い方を勉強するために本を読み、
スタッフの方がくれた飼育マニュアルも大事に読みました。
はじめは怖がった様子で、小屋の隅に丸まっていましたが、
だんだんと私に近づいてきたり、リラックスした様子が見れて幸せでした。
この小さな命が、私の心をこんなにも癒してくれるなんて…。

この子は私が守らなきゃ!という一心で、本も参考にしていました!
エサの種類、抱っこの仕方や爪切りの仕方など詳しく書いてあります。
※今、新品は出回っていないようです…。
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同じ型が監修されている本です。
イラスト入りで読みやすそう!
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幸せから一変、恐怖の出来事
モカとの生活から2週間。
仙台市在住の私は、東日本大震災を経験します。
当時私は、会社で仕事中。
モカは自宅で一人で留守番をしていました。
モカが心配で、泣きながら帰宅したのを覚えています。
何とか自宅にたどり着き、玄関ドアを開けた瞬間、驚きの光景が目に入ります。
一人暮らし用の小さな冷蔵庫、電子レンジと共に倒れかけていました。
扉を塞いでいて、入れない…
モカの心配、続く余震。
恐怖、焦り、いろんな感情が入り混じったまま、力を振り絞り冷蔵庫を動かします。
やっと扉が開き、モカへ辿りつきます。
するとモカは、小屋の片隅で、小さな体をブルブルと震わせていました。
「ごめんね~!怖かったね!もう大丈夫だよ!」
モカを抱き上げ、緊張の糸が切れた私は大号泣。
無事に生きててくれたこと、一人で怖い思いをさせてしまった罪悪感、
たくさんの感情で溢れていました。
モカとの避難生活
モカの無事を確認した私は、必要最低限の荷物を準備します。
余震が続き、安全に過ごせるか不安だったため、車で過ごします。
そこへ職場の同僚が迎えに来てくれ、避難生活を共にしてくれることになりました。
モカも歓迎されて、緊張していた私の心もほぐれていきました。
ラジオから流れてくる情報は、本当に現実なのか信じられないものでした。
のちに分かったのですが、モカと出会ったホームセンターは津波の被害にあっていました。
「あの2週間前、モカを連れて帰らずにいたら…」
心の底から、モカを幸せにしようと誓いました。
モカとの出会いは偶然じゃなく、きっと必然だったんだと、今でも思います。
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